こんにちは。市川えり(Twitter| Instagram)です。
仕事で移動中に高速道路を利用することがある人も多いと思います。
最近では高速道路利用時の料金はETC(=Electronic Toll Collection System:電子料金収受システム)の利用が一般的となり、料金所で係員から利用明細を直接もらうことは少なくなりました。
しかし高速代を経費として落とすのならば、やはり領収書ともいえる利用明細書を手元においておく必要があります。
かといって料金所で停まっていちいちもらうのも面倒…。
そこで効率よくETC利用時の領収書を入手&保管する方法をまとめました。
実はクレジットカード請求明細書は領収書代わりにはならない
ETCを利用して高速道路料金を支払う場合はクレジット一括払いとなり、当然ながら領収書は発行されません。
月末近くに送付されるクレジットカードの請求明細書(またはWEB明細)に利用した区間と金額は表示されますよね。
多くの人はこのクレジットカード明細がETC料金の領収書になるとお考えのことと思います。
しかし実はそのクレジットカード請求明細書は領収書代わりにはならないことをご存知でしょうか?
【照会要旨】
法人カードを利用している場合には、カード会社から一定期間ごとに請求明細書が交付されますが、この請求明細書は消費税法第30条第9項《仕入税額控除に係る請求書等の記載事項》に規定する請求書等に該当するのでしょうか。【回答要旨】
クレジットカード会社がそのカードの利用者に交付する請求明細書等は、そのカード利用者である事業者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が作成・交付した書類ではありませんから、消費税法第30条第9項に規定する請求書等には該当しません。しかし、クレジットカードサービスを利用した時には、利用者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が、「ご利用明細」等を発行しているのが通常です。
この「ご利用明細」等には、
その書類の作成者の氏名又は名称、
課税資産の譲渡等を行った年月日、
課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容、
課税資産の譲渡等の対価の額、
その書類の交付を受ける者の氏名又は名称が記載されていることが一般的であり、そのような書類であれば消費税法第30条第9項に規定する請求書等に該当することになります。
ETCの料金を経費計上するには『利用証明書』が必要!
内容を整理すると、
- クレジットカード会社の請求明細書(月末近くに送付またはWEBに反映されるもの)は領収書にはならないと国税庁のWEBサイトに記載されている
- ただしクレジットカード利用時にもらえる『利用明細書』は領収書代わりになる
- ETC料金を経費計上するには『利用証明書』が必要
- しかしETC利用時は料金所で停車せず通過するため『利用明細書』を入手することができない
このことから、事業の経費としてETC料金を計上するためには利用証明書が必要ということがわかりました。
しかし利用証明書は料金所でもらえるため、せっかくETCをつけているのにいちいち停車していては本末転倒というもの。
そこで利用証明書を入手する別の方法としてETC利用照会サービスがあります。
【ETC利用照会サービス】に登録しよう
【利用証明書】をネットから一括ダウンロードする方法はとってもかんたん。
【ETC利用照会サービス】にアクセスし、お手持ちのETCカードを登録するだけ。
あとはサイトにある手順に沿っていけばパソコンから利用証明書をダウンロードすることができます。

ほしい明細を選択するとこのような感じで出力されます。
登録には以下のものが必要になりますので、お手元に準備してから登録作業をすすめてください。
- ETCカード(車載器に挿入して通行料金のお支払に使用されるカード)
- 上記のETCカードで、ETC無線通行により高速道路を利用した際の車載器管理番号、車両番号(ナンバープレートの4桁の番号)、利用年月日
- パソコンのメールアドレス ※携帯電話・PHS等のメールアドレスは利用できません。
事業専用のETCカードを持つとさらに便利!
ここでひとつポイントがあります。
それは、ETCカードを事業用とプライベート用に分けることです。

カードを事業用とプライベート用の2種類準備したり入れ替えたりするのは面倒かもしれません。
けれど帳簿に記録を残すにあたっては最初から分けておいたほうがあとあとラクなのです。
無理のない範囲でぜひ検討してみてください。
まとめ
ここまでETC利用時の領収書代わりとなる利用証明書の重要性を説いてきましたが、実のところETCの利用明細がないからといって大きな問題になった事例はないようです。
しかし、こういう細かい部分をしっかりと管理しておくことが個人事業主やフリーランスには必要なことです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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【参考】税についての相談窓口 国税庁