こんにちは。市川えり(Twitter| Instagram)です。
プライベートで購入したものと事業の経費になるべきものを一緒に購入した場合、わかるようにメモをしておけばいいですよー、というお話をしました。

しかし中には電気代やガソリン代など事業と家計の両方で使っていて、かつ分けるのが難しいものがありますよね。
そんな時は事業で使用している部分を割合で分けて経費として計上することが可能です。
これを家事按分(かじあんぶん)といいます。
この記事ではその家事按分について基本的なことをまとめてみました。
家事按分が認められるもの

フリーランスや在宅で仕事をしている個人事業主はの経費はプライベートとの区別がつきにくいものが多いです。
例えば
- ガソリン代・車検代・駐車場・損害保険料・購入費用などの自動車関連費
- パソコンや携帯電話などの通信費
- 自宅兼事務所やサロンなどの水道光熱費・家賃
- 持ち家の場合の固定資産税・保険料・住宅ローンの利息分
など。
事業割合はこうして決める

では具体的にどのように分ければいいのでしょうか?
まず、家事按分するためにはどういう割合で分けるかがポイントです。
そして按分割合は勘定科目ごとに決められているわけではなく、自分で決めます。
どのくらい経費としているかは自分にしかわからないですからね。
そのためどうしてその割合で分けたのか?を説明できるような明確な根拠を提示することが重要なのです。
家事関連費の按分については国税庁のホームページでは以下のように定義されています。
令第96条第1号に規定する「主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要」であるかどうかは、その支出する金額のうち当該業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定するものとする。ただし、当該必要な部分の金額が50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、当該必要である部分に相当する金額を必要経費に算入して差し支えない。
【国税庁】家事関連費(第1号関係)
…わかりにくいですね。
要するに
- 事業の経費であると考えられる部分が50%を超えているかどうかで判断する。
- 事業で使用している部分が仮に50%以下であっても、明確な根拠があるのなら経費として計上できる。
なので、家計からの支出であってもその明確な根拠を証明するための領収書や請求書などは捨てずにきちんと残しておくのは大前提!
名義はなるべく本人が望ましいですが、根拠が示せるのならば親や夫の名義でも大丈夫です。

勘定科目別・家事按分割合のめやす
水道光熱費

事業用に使用している部屋の床面積
・仕事用の部屋で使用しているコンセントや電球の数(全体のうちの何個か)
・使用時間・回数
自宅兼事務所・自宅サロンなど、持ち家の一室を事業用に使うお仕事だとけっこう電気代がかかりますよね。
お料理教室などは水道やガスも使います。
お仕事によって使う量や時間はその時によって違うこともあるとは思いますが、少し意識して自分なりの基準と根拠を持つように心がけてみてください。
家賃・住居費

賃貸物件を事務所やサロンにしている場合の家賃の按分は、事業用に使用している部屋の床面積を部屋全体の底面積の割合を元にするとよいでしょう。
自宅兼事務所・サロンの場合は住宅ローンの金利部分のみ按分して経費として計上することが可能です。
元本部分は借入金となり、経費として計上することはできません。
こちらは条件が当てはまっているなら住宅ローン控除(事業部分を除く)が受けられる場合があるので確認してみてください。
他には固定資産税や減価償却費も家事按分の対象になります。
通信費

携帯電話やパソコンのプロバイダー料金など。
できれば事業用を持つのが理想的ですが、それができない場合は使用時間で判断します。
自動車関連費

・ガソリン代
・自動車税
・車検代
・損害保険料
・駐車場代金
・自動車の購入代金
事業に使用しているのであれば、これらはすべて家事按分可能です。
日数でもいいのですが、明確な根拠を示すのが大変なので走行距離で判断するのが一番堅実な方法です。
自動車購入代金の按分に関しては減価償却が必要になります。
家事関連費で経費にできる部分は意外と多い
家計やプライベートとかぶっているけれど計上できそうな経費って意外とたくさんありますよね。
分けれないから…と経費にするのをあきらめていませんでしたか?
どのような場合でも、その按分割合にした具体的で明確な根拠が説明できることが一番重要です。
家計との区別があいまいでも事業に関する費用はれっきとした経費。
面倒くさがらずにしっかりともれなく経費計上しましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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【参考】税についての相談窓口 国税庁