帳簿や確定申告など、起業にまつわる数字に苦手意識を持つみなさんが不安を感じていることの一つが税務調査ではないでしょうか?
言葉の響きといい、その怖いイメージに恐れおののく主婦起業家さんは多いようです。
実際に開業届を出したら税務調査が入るかも!と提出をためらう人もいるほど。
今回はその税務調査について、過去に税務調査官だった現役税理士の先生のお話もまじえながら簡単にご説明します。
本当は怖くない?税務調査
税務調査、というとみなさんはどのような印象をお持ちでしょうか?
起業したての人に聞いてみると、
黒ずくめのスーツを着た男性が大勢押しかけてきて、植木を引っこ抜いて鉢の中をあさったり額縁を外して中をチェックしたりして所得の証明になるようなものを見つけてすごい金額の追徴課税を払わされることになるんですよね…
というような答えが結構な割合で返ってきます。
メディア等の影響でそのような怖い印象を持っている人はとても多いです。
昔『マルサの女』という映画がありましたが、あのイメージが大きいですよね。
結論から言うと、開業届を出しただけで税務調査がくることはまずありません。
税務調査は開業届提出の有無を問わず、来る人のところには来るのです。
巨額で悪質な脱税を疑われていない限り、アポなしで調査官が押し寄せて来ることもないです。
税務調査で重要視するのは帳簿と経費のレシートです。
大切なのはそのときに
- 自分にはいくら売り上げがあって
- 何に経費を使って
- どれだけの利益が出たのか
を調査員に客観的に明確に提示し説明できることです。
逆に言うと、帳簿をきちんと管理できていれば税務調査を怖がる必要はありません。
間違ったり大げさな情報に振り回されている人は多いです。
確定申告をやらなくてもバレないと思っていませんか?

わたしが起業当初に記帳指導を担当してくださった顧問税理士さんは元・税務調査官。
現在は現役を退いて自宅でフリーの税理士として活動されています。
『税務調査官』というとすごいドスのきいたコワモテの人、あるいはびしっと七三分けの抜け目のない冷徹な切れ者というイメージがありますよね。(個人の見解です)
しかし、その先生はたまに家に遊びに来る孫と娘がかわいくて仕方ないといった、おっとりとしたフレンドリーな感じの優しい方でした。
先生が気さくで話しやすいのをいいことに税務調査の裏話やタブー、どういう人が目につきやすいかというのをいくつか教えてもらいました。
お話からわかったことは、実はあなたの収入はチェックされています。
昨今の起業ブームで、自宅サロンやイベント出店でお金を稼ぐ人が増えましたよね。
SNSやFacebookで活動内容を発信したり、売上を公表したり(月商◯ケタ、とか)予約状況をシェアしたりすることは今や当たり前の時代。
お客さまからすれば判断基準となり便利ですが、それは同時に税務署や国税局の職員も閲覧できるということ。
特に企業や行政の業務委託としてお仕事を受注されている方は、仕組み的に業務委託分の収入は税務署に把握されるようになっています。
あと意外と多いのが同業者の妬み・嫉みからくるリーク(告発)。
表に出てこないだけで、そういうケースから発覚して調査が入ることもあるそうです。

ハンドメイドのイベント会場に税務署員が直接来て、開業の有無をチェックされたという話も聞きました。
事業は隠し事なく、公正明大に

以前ある方から
「お客さまから直接お金をいただいているから申告していないのってバレませんよね!?」
と質問されたこともありました。
「みんながやっていないから、やらなくてもバレないというから」とウワサを鵜吞みにする人がいます。
しかしそれはあなたの商品やサービスを信用して購入してくれたお客さまにとって大変失礼な行為です。
隠すのを前提に行動するのはやめて、分からないことはそのままにせずに税務署に問い合わせるなどして疑問や問題をクリアにする努力を心掛けましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!